第58章 浴衣の効果
「髪、アップにしたんだね。」
範司の指先が露出された首筋を優しくなぞり、
反射的に身体が小さく跳ねた。
「うなじがエロくて最高に滾るよ。」
淫欲をそそらせるような手付きで、
首筋を摩り続けられていると
なんだか妙な気分になりそうな気がしてきて、
範司の手を掴み、動きを制止させた。
「……範司。手付きがいやらしい。」
「ん?そりゃ、いやらしくしてるからね。」
簡単に肯定され、言葉を失う。
「凛。私も一応男だから。」
「……いや、でも範司は男の人を」
「そりゃ男も好きだけど、
勿論女の子も大好きだからね。
……特に、凛のことは特別好きだよ。」
言葉を遮られ、耳元で囁かれると、
再び身体が小さく反応した。