第58章 浴衣の効果
浴衣に着替える為、
自室に移動して20分後。
「凛――!!着替え終わった?!」
という叫び声に近い範司の声と同時に、
部屋のふすまが開く。
「ちょ…、範司!!
まだ着替え中だったらどうするつもり?!」
ふすまが勢いよく開いたことに驚きつつ
範司に声を掛けるが
「今さら何言ってんの。
私たちは昔から裸の付き合い
してきてるじゃん!」
範司は特に悪びれる様子もなく、
部屋に侵入してきた。
「それは十数年も前の話しでしょ……
今はもういい年なんだから、
せめて部屋の前から声掛けるくらい……」
「凛、可愛いよ。」
私の発言は簡単に聞き流され、
上から下までまじまじと見つめられる。