第57章 迫るタイムリミット、託された決断
「凛。俺たちはお前に、
お前自身の決断を託してる。」
リヴァイが話し始め、心ともなく視線を向ける。
「お前が決心したことについて、
口出しするつもりはねぇ。
……だが、自分の気持ちに嘘を吐かず、
決断しろ。」
リヴァイのゴツゴツした手が、
私の髪をくしゃくしゃと撫でた。
「君が心から生きたいと思える場所を
選んで欲しい。
俺たちの気持ちを深読みすることなく、
“君の決断”をしてくれ。」
エルヴィンの大きく逞しい手は、
私の右手を包み込む。
「……分かった。ありがとう、二人とも。」
二人の言葉はいつも暖かく、
二人の言動に何度も助けられた。
そのお蔭で今自分はここにいる。
自分自身が納得できる決断をすることが
私にとっても二人にとっても、
一番いい選択な筈だ。
ゆっくり深呼吸をし、二人に笑いかけた。