第56章 範司と火口
映画を観始めて、30分。
凛は既にうたた寝を始めていた。
「眠くなるのが早ぇな……」
ソファーに座っているリヴァイは、
自分の目の前で床に座って
寝ている凛に視線を向ける。
「アクション映画観ながら
寝られるとこがすごいよね。」
範司がそう言って小さく笑っていると、
火口は押入からタオルケットを取り出し、
凛に掛けた。
「夜あまり寝られない分、
寝られる時には寝た方がいい。」
エルヴィンはそう言って
横目でリヴァイを見る。
エルヴィンの視線の意味を
すぐに理解したリヴァイは
「俺の睡眠時間は足りてる。」
と、それだけ言って、
再びテレビに視線を戻した。