第55章 今現在の決断
「……あ、凛さん。
それ、DVDですか?」
机の横に置かれたレンタルショップの袋を見て、
火口は少し声を上げて問いかける。
私の困惑した様子を
察してくれたのだろう……
なんて気の利く子なんだ。
範司の側においておくのが
ますます不憫に思えてくる。
「そう。うちにはテレビないから、
勝手に火口君の家で見るつもりに
なってるんだけど大丈夫?」
「え、俺の家ですか?」
「私の家でもいいよ!」
火口の確認に、範司が被せる様に言い放つと
「お前の家は絶対に無理だ。」
リヴァイはそれだけ言って、
範司に冷ややかな視線を向けた。