第54章 安息の時間
そっとリヴァイの手を握ってみると、
少し冷めた体温が伝わる。
自分の体温を分け与える様に、
リヴァイの手を強く握り締めると
緩んだ表情が目に留まった。
「お前は不思議な女だな……」
「……それ、褒め言葉?」
「最高の褒め言葉じゃねぇか。」
小さく笑い声を漏らしたリヴァイに
優しく抱き寄せられ、
それを受け入れる様に、
リヴァイの胸元に顔を埋める。
手よりもだいぶ暖かい体温が全身に伝わり、
目を閉じたらすぐにでも、
眠ってしまいそうな気がした。
「……凛。おやすみ。」
リヴァイ、おやすみ。と、言葉を返す前に、
瞼が目を覆い、
心地いい微睡みが意識を遠のかせた。