第50章 全ての暴露
「親は料理をしなかったのか?」
「……しない、と言うより、
あまり家に居なかったから。」
凛は渋々と言った様子で話し始める。
「父も母も仕事が忙しかったから、
料理をする暇はなかったの。
だから物心ついたころから、
自分で作ってみようと思い立って
実験してるような気分で料理してた、
それだけだよ。」
口早に話し終えた凛は、
リヴァイに笑顔を向けた。
……この笑顔は“本物”ではないな。
箸を止めたままの凛の手をそっと握る。
「無理に笑わなくていい。」
それだけ言うと、ゆっくり手を握り返され、
凛に視線を向けた。