第50章 全ての暴露
「……何でそう思ったの?」
「なんとなくだ。」
「……なんとなく、ね。」
俺の返答が納得いかなかったのか、
凛は疑いの表情を向けてくる。
実際、なんとなくで分かった訳じゃない。
こいつが曖昧な答え方をする時は、
本当に答えたくないか、それを答えると
問いかけた相手が気を遣うと思うからか
どっちかだからだ。
少し強張った表情をしたということは、
きっと俺がまた心配して、
凛を気に掛けると思ったからだろう。
たった二つの情報だけで
ここまで凛のことが分かる様になったのは、
普段からこいつのことばかり
見ているからだろうな……
調査中に巨人の動きに目を見張るならまだしも、
こんな長閑な世界で一人の女に
視線を集中させている事実に
再びため息が零れた。