第48章 守りたい、
「……おい、あいつはあれでいいのか?」
凛に手を引かれるがまま、足を進める。
「いい。
鉄道警察行くと、こっちまで時間かかるし。」
そう言った凛の表情は固い。
……相変わらずこいつは、表情と言動が
噛み合わないことが多いな……
握られた手を力強く握り立ち止まると、
強張ったままの表情の凛と目が合った。
「凛。
守ってやれなくて悪かった……
もうお前に嫌な思いはさせない。」
強く握った手を強引に引き寄せると、
凛が胸に収まる。
人が多く行き来するような場所で、
堂々と女を抱き寄せるなんて
今までの俺なら考えられなかったことだが、
今はそうしたい気持ちだけが溢れ出た。