第48章 守りたい、
「奥さんはあなたがこんな
浅ましい事をしてるなんて何も知らずに、
毎日丁寧にアイロン掛けをして、
あなたを送り出しているんです。
その綺麗なシャツには、
あなたが仕事を頑張れるようにって意味も
込められているんじゃないんですか?
それなのに、こんなことで憂さ晴らしをしていて
本当に気が晴れるんですか?」
凛の発言の途中から、
男の肩は小刻みに震え始める。
何か思うことがあったのかも知れない。
若いくせに年増のような
芯の通った発言をする凛を見つめていると
ゆっくり立ち上がった凛に手を握られ
反射的に握り返した。
「もう奥さんやお子さんを
裏切るようなことはしないで下さいね。」
凛はそう言った直後、
リヴァイの手を引き、足早に歩き始めた。