第48章 守りたい、
「強いフリばっかりしやがって……
そうやって誰にも助けを求めず
何でも一人でやろうとするから
勝手に追い込まれていくんだろうが。」
この状況下で、こんな言い方しか出来ない自分を
侮蔑したくなるが、凛なら
俺の言いたいことが分かるだろう、
と、心底そう思える。
「お前、今まで何回あんな
下衆な真似されてきたんだ?
その度にああやって一人で
なんとかしようとしてきたのか?」
「……何で初めてじゃないって思ったの?」
「お前があの男の指を
へし折ろうとしたのが見えたからな。
初めてあんなことやられて、
そんな反応は出来ねぇだろうが。」
即答すると、顔は肩に伏せたままで
吹き出した凛の息が、
三角筋の辺りを熱くさせた。