第48章 守りたい、
次の瞬間。
目にも止まらぬ速さで
凛の横をかすめたリヴァイの手が、
痴漢の腕を掴んだ。
「……おい。
誰の許可があってそんなことしてんだ……?」
冷淡な声が電車内に響き、
一気に車内の空気が凍りつく。
……外を見てるんだと思ってたけど
ガラス越しにこっちを見てたのか。
リヴァイの真剣な表情の矛先は、
外の風景ではなく
私と痴漢の様子にあったことに気付いた。
車内の乗客の視線が
一斉にこちらへ集中してきたのを感じ
「……リヴァイ、ちょっと」
と、言いかけるが
「お前は黙っとけ。」
と、一喝され、すぐに口を噤む。