第7章 得意なことは秘密なこと
「……悪くない。」
「そうだろ?味にうるさいお前も、
絶対そう言うと思ったよ。」
二人は卓袱台の前に座って、
私の作った晩御飯を食べていた。
「結局掃除に夢中になって、
お昼ご飯のこと忘れてましたからね。
お腹が空いてたから、何でも美味しく
感じるんだと思いますけど。」
私も二人の横に座り、食事を始める。
エルヴィンは横目で私を見ると、
「……凛。家に帰って来た時から
敬語に戻っているんだが。」
そう言って小さく微笑んで見せた。
エルヴィンに指摘されて気付いた。
そう言えばそうだ。
いつの間に敬語に戻ったんだろう。
「リヴァイが怖かったか?」
「何で俺を怖がるんだ。
怖い要素なんて見せてねぇだろうが。」
彼の乱暴な口ぶりにも、今は少し慣れてきた。