第6章 三白眼の興味
「おい、他にもあるのか?」
突然少し声のトーンが上がった
彼に問いかけられ、視線を向ける。
「この世界の掃除道具は
なかなか興味深い。他のも説明しろ。」
鋭い三白眼がキラキラしているような気がして、
思わず頬が緩む。
「分かりました。
それなら次は、中性洗剤と
マイクロファイバーモップの使い方を……」
自分より明らかに年上の男性二人が、
真剣に掃除道具の説明を受けている。
かなり妙な光景ではあるが、
一生懸命話を聞いてくれる二人の様子は
微笑ましくて、こっちも出来る限り
分かりやすく話そうと、説明に身が入る。
そんなことをしていたからか、
あっという間に夕方になり
外出するという当初の予定は、
家中の大掃除をする、という結果に収まった。