第48章 守りたい、
まだギリギリ出勤ラッシュの
時間帯ということもあり、
電車の中はスーツ姿の
サラリーマンで溢れ返っている。
ゆっくり電車が走り出すと、
動きに合わせて人の波が押し寄せ、
必然的に背中が圧迫された。
「……リヴァイ、
こういうすし詰め状態は平気なの?」
リヴァイは極度の潔癖症でもある。
満員電車に嫌悪感を抱かない筈がないと思い、
無表情のまま窓の外を眺めるリヴァイに
少し小声で問いかけた。
「好ましくはねぇが、
この時間帯に混雑しているのは
仕方ないんだろ?」
意外な問いを返され、思わず目を見張る。
それも火口君情報か……
……いちいちガッカリしてしまう自分を
どうにかしたい。