第46章 ●嫉妬故の強引さ

今まで必要に応じて衝動を抑えたり、
自分の心情を意図して操作したりすることは
容易だと思っていたし、実際簡単に操れていた。


感情を押し殺すのが
難しいと感じたことはなかった。



……それなのに、彼女といると
自分の感情をコントロールできる自信がない。


初めての感情を抱くことが多すぎて、
戸惑ってばかりだ。




凛に気付かれないように、
小さく深呼吸をすると
背中に回された凛の手に
力が入ったような気がして思わず息を止めた。



「…エルヴィン、また何か悩んでる？」

凛はエルヴィンの胸に顔を埋めたまま
優しく背中を摩る。