第46章 ●嫉妬故の強引さ
……彼女は突然図星を突いてくるから、厄介だ。
自分の感情を察してもらえることは
嬉しいことでもあるが、
このタイミングで分かられるのは困る。
「何故そう思うんだ?何も悩んでないよ。」
取り敢えずそれだけ答えると、
凛に顔を覗き込まれた。
「……だってエルヴィン、何か考え事してる時は
急に静かになるんだもん。」
「……そうなのか?」
「そうだね。」
ハッキリとした口調で断言され、
思わず頬が緩む。
俺は行動で悩んでいる様子が分かるほど
分かり易い男だったのか。
凛に出会わなければ、
そんな風に感じることはなかっただろう。