第45章 卑猥と卑猥の組み合わせ
「……凛。いつから見ていたんだ?」
少し経ってから
凛の視線に気付いたエルヴィンは
絵本を閉じて凛に目を向ける。
「ごめん。真剣に読んでる姿が
なんか可愛くて。」
「……30後半のいい年した男に、
可愛いはないだろう。」
エルヴィンは小さく笑うと、立ち上がった。
「俺も風呂に入って来るよ。
凛は先に休んでいるか?」
「え、もう寝るの?」
思わず問い返すと、エルヴィンの顔が近付く。
「……それは、まだ俺と夜を楽しみたい、
という意味だと思っていいのか?」
……またしても自爆してしまった。
ニヤリと笑うエルヴィンの顔を見て、
ため息が漏れる。
「エルヴィンは何かと私の心の中を引き出すのが
上手いよね……」
「それはこっちのセリフでもあるけどな。」
そう言って少し頬を緩めたエルヴィンは、
風呂場に向かって足を進めた。