第45章 卑猥と卑猥の組み合わせ
それから晩御飯を食べて、帰路に就く。
家に着いた時は、
既に夜の9時を過ぎたところだった。
凛がお風呂から出て、
食卓のある部屋へ向かっている最中。
エルヴィンとリヴァイが寝室としている
“使者と繋がる部屋”のふすまが
少しだけ開いていることに気付き、
そっと中の様子を盗み見る。
するとそこには、
範司から借りたであろう絵本を読む
エルヴィンの姿が目に留まった。
真剣に絵本に目を通しているようで、
凛の姿には全く気付かない。
いかつい図体をした白人男性が、
可愛らしい絵本を真剣な表情で見つめている。
その様子は、不釣り合いとしか言いようがなくて
おかしくもあったが、
それでもどこか愛くるしくも思えて、
しばらくエルヴィンの姿を見つめていた。