第1章 非凡が現れる場所
並の死者……?
そもそも死者に平凡も非凡もあるのか……?
おじいちゃんも昔から
大概おかしなことを言い出す傾向にあったが、
おじいちゃんのお父さんも、
そうだったのかも知れない。
「おじいちゃんのお父さんの話は
よく分かんないけど、私は大丈夫だと思う。
お化けとか見えたことないし、
信じてる訳でもないし。」
“死後の世界”
なんてものがあってたまるか。
この世の煩わしさから逃げた先に、
また別の世界が待っているなんて
それこそ無限の地獄だ。
「まぁ、もしお化けに出会えたら、
じいちゃんにも教えてくれ。」
そう言って頬を緩めるおじいちゃんは、
私の肩を優しく叩いた。