第5章 知りたい世界
それからトイレに行くのも、
お風呂に入るのも、歯を磨くのも
何をするにも一から説明が必要で、
まるで子どもに
手順を教えているような気分になる。
エルヴィンは何を教えても
興味津々に目を輝かせていて、
そんなエルヴィンに説明をするのは
楽しくもあった。
エルヴィンは巨人のいる世界で
“団長”という肩書を持っているようだが、
偉ぶったり横柄な態度を
とったりすることはない。
それどころか、
皿洗いを手伝ってくれるような
謙虚さまで持ち合わせていて
やっぱり“この世界”の人間とはまるで違うと、
改めて思い知ることになった。