第5章 知りたい世界
「俺たちがここに来たことには、
何か意味があるのかも知れない。
とにかく今は、
ここで色んなことを学びたいんだ。
……だから、君はそんな気を遣わなくていい。
素のままでいてくれ。」
「……何で言おうとしたこと、分かったの?」
「俺がここに来て良かったと
本当に思っているからだよ。
君も思ってくれているだろう、と思っていた。」
悪戯っぽく笑って見せるエルヴィンの表情が
どこか可愛くて、自然と顔が綻ぶ。
「……良かった。
明日は色んなところ案内するからね。」
「ありがとう。楽しみにしてる。」
エルヴィンの優しい笑顔は、
安心感を強く誘った。