第5章 知りたい世界
「そうだね……
取り敢えず、明日適当に服を買ってくるよ。
あの、“リヴァイ”って人の分も。」
ここに来る前に、
車を処分しなくて良かったと心底思った。
まぁ、こんな田舎で車がなければ、
死ぬ場所なんて見つけられない。
と思ったから乗って来た訳だが。
それでも今は、その車が
エルヴィンの力になれる物の一つだと思うと
そんな理由は忘れられそうな気がした。
「何から何まですまないな……
君には借りを作ってばかりだ。」
「そんなことないよ。
エルヴィンがここに来てくれて」
そう言いかけて言葉を止める。