第39章 命を預かる仕事
「……エルヴィンの仕事について、
私は口を挿める立場じゃないけど
少なくとも私は今、エルヴィンに
命を守ってもらってる気でいるよ。」
そう言い切った直後、
エルヴィンの腕に引き寄せられ
暖かい体温に包まれた。
暑い夏であっても、この暖かさは心地いい。
二人がこの世界に来るまで、
身体を重ねる為に抱きしめられることは
多々あったけど、
こうして安心感を得られる抱擁を
された記憶は殆どなかった。
「……エルヴィン、暖かくて気持ちいいね。」
背中に回した手で
そっとエルヴィンの背中を摩ると、
エルヴィンは何も言わないまま
抱きしめる力を強めた。