第5章 知りたい世界
「エルヴィン、ありがとう……」
優しい表情で私を見つめる
エルヴィンと視線を合わせる。
「礼を言われるようなことは、
何も言ってないよ。」
「そんなことない!
エルヴィンのお蔭で、……なんか、ちょっと
心が軽くなった気がする。」
思わず声を張ってしまうが、
少し恥ずかしくなり徐々に声が小さくなる。
「そうか。それなら良かったよ。」
エルヴィンの男らしい重みのある声は、
安心感を強く誘った。
「……だが、それでももし、
やりたいことが見つからないと言うなら
俺にこの世界のことを、もっと教えて欲しい。」