第39章 命を預かる仕事
「でもエルヴィンも人の命を預かる仕事、
になるんじゃないの?」
そう問いかけた途端、
背中を撫でられていた手が止まる。
「……いや。君のように人の命を
守っていた訳じゃない。」
それだけ言ったエルヴィンの声色は、
どこか悲しそうにも聞こえ、
そっと後ろを振り返った。
「どちらかと言うと、逆だ。
俺は人の命を奪ってばかりいるからな。」
呆れたようにも悲しそうにも見える
表情を浮かべるエルヴィンの頬に、
そっと手を当てる。
するとすぐに表情は緩むが、
感情を押し殺したような優しい表情は
見ているだけで胸がチクチクと痛んだ。