第38章 ひぐちくん
その日からエルヴィンとリヴァイは、
火口君に送り迎えをしてもらいながら、
博物館でのアルバイトに精を出す。
火口君から聞いた話では、
二人とも尋常じゃない程の体力があるようで、
かなり重宝がられているらしい。
夏季企画展で陳列する為の展示品を運ぶ際は、
他の職員が働く暇がないほど
よく動いているようだ。
そして、展示品の陳列においては、
二人のセンスとチームワークが
存分に活かされているらしく、
そのまま正職員になって欲しい位だと
火口君は鼻息を荒くして教えてくれた。
……それに加えて、あの容姿だ。
博物館の職員からは勿論のこと、
お客さんにまでモテているみたいで、
二人への差し入れが後を絶たない。
差し入れだけで生活できるんじゃないかと
思ってしまうほどの量の手作りお菓子や
様々な種類のプレゼントを
持って帰って来るので、
さすがにヤキモチに似た感情が
芽生えずにはいられなかった。