第5章 知りたい世界
「だが、君はそうじゃない。
君はまだ若いだろうし、未来がある。
今は何もしていないということなら
尚更、無限の未来があるじゃないか。」
「……でも、
やりたいことなんて、もう何もない。」
口を突いて出てしまった言葉に、深く後悔する。
初対面の、しかも過去から来た人間に、
こんなことを言ってどうするんだ……
「ごめん……こんなこと言っても」
「それならこれから探せばいい。
その為なら思う存分、フラフラするべきだ。」
言葉を遮られ、エルヴィンからの
暖かい視線を受けて顔を上げた。