第37章 恩返しと覚悟の時間
「……分かった。
じゃぁ、明日から一週間、
二人をよろしくお願いします。」
範司に頭を下げると、
エルヴィンが小さく吹き出す声が聞こえ
頭を下げたままエルヴィンに視線を向ける。
「何だか君は、俺たちの保護者のようだな。」
「……確かに。
でも、そんな気分にもなるよ。」
釣られて顔が綻ぶと、
それを見ていた範司が楽しそうに笑った。
エルヴィンとリヴァイを家に残し、
範司を駐車場まで送っている最中、
突然立ち止まった範司に釣られて足を止める。
「なに、忘れ物?」
「ううん。」
珍しく真剣な表情の範司は
小さく微笑んだ後、話し始めた。