第36章 溢れるほどの想いがこぼれてしまう前に
「おい、お前らこんなとこで何やってんだ?」
あからさまに不機嫌そうな
リヴァイの声が耳に入り、
すぐにエルヴィンから手を離す。
眉間に皺を寄せたリヴァイを見ると、
安心感を覚えた。
「リヴァイ。無事で良かった……」
「……無事?何の話だ。」
眉間の皺を一層濃くするリヴァイを横目に、
エルヴィンは小刻みに肩を震わせて笑っている。
「いや、凛はリヴァイを
心配していたんだよ。
あまりに風呂が長いから、
のぼせて倒れていないかと。」
「そうか。
だが、心配していたなら
それ相応の迎え方をして欲しかったがな。」
リヴァイの発言の意味を察し、
バツが悪くなって俯いた。