第36章 溢れるほどの想いがこぼれてしまう前に
「かなり好きだったし、毎晩飲んでたし……
……って、さっきから何で笑ってるの?」
訝しげな表情で顔を覗き込まれ、
小さく咳払いをする。
「……すまない。
君の反応が可愛くて。堪えきれなかった。」
「……そんな可愛い反応、
出来てた気はしないんだけど。」
疑いの目を向ける凛の頭を
軽く撫でる。
まだ乾き切っていない髪の毛が、
急いで風呂から上がったことを物語っていた。
「いや、君は相当可愛いよ。
抱きしめてもいいか?」
「ちょ……、な、いきなり何言い出してんの、
こんなとこで!」
すぐに焦った表情に切り替わる様子を見ると、
また頬が緩む。