第34章 平等に
「そんな平等さは欲しくないんだが。」
明らかに不満気なエルヴィンは
小さくため息を吐いた後、
「……だが、それなら次は
俺のターンということでいいのか?」
と、凛の顔を覗き込んだ。
「えっ、いや、それを私に聞かれましても……」
そんな魅惑的な上目遣いで見つめられると、
動揺で運転に支障が出る。
咄嗟に強くハンドルを握り締めた。
「もうルール云々の話しじゃ
なくなったじゃねぇか……」
「それはお前にも責任があるだろう。」
エルヴィンはすかさずツッコミを入れると
「これからは覚悟しておいてくれ。」
そう言って凛にニヤリと笑いかけた。