第32章 続く不本意
「じゃぁ、リヴァイも10分後に。」
空いていたシャワールームの前で
リヴァイにそう声を掛けると
リヴァイの動きが止まった。
「これはどこに入れるんだ?」
渡した小銭を抓み上げたリヴァイに
問いかけられ、
お金を入れる場所を探す。
「さっきのシャワールームと違うのか。
どこだろう……」
シャワールームの中を
覗き込んでいたその時。
ふと聞き覚えのある声を耳にし、
一瞬身体が硬直する。
「……おい、どうした?」
リヴァイの問いかけを聞き流し、
少しだけ後ろを振り向くと、
以前勤めていた職場で、一番苦手だった
主任の姿が目に留まった。
急いでリヴァイをシャワールームに押し込み、
自分も後に続いて入って
すかさずドアを閉めた。