第31章 懐かしい人
「元恋人、か。
どうせお前のことだから、
酷いフラれ方でもしたんじゃねぇのか。」
「……リヴァイ。
聞き方が直接的過ぎるだろう。」
「いや、いいよ。
まさにその通りだから……」
エルヴィンのなだめるような
声を聞きながら、
別れた時のことを少し思い出し、
呆れたような笑いが漏れた。
「かなり酷い別れ方したから、
会い辛かったんだ。」
「あのミケが何かやらかしたのか?」
リヴァイは凛の顔を横目で見る。
「……簡単に説明すると、
御食の家に合鍵で入った直後、
思いっきり“最中の現場”を目撃して、
そのまま別れた感じだね。」
凛がそう言った直後、
少しの沈黙が漂った。