第31章 懐かしい人
「ありがとう、二人とも……
なんか色々察してくれたみたいで……」
リヴァイが横に並んだところで、
深々と頭を下げる。
まさかこんな場所で
御食に会うと思ってなかった。
以前自分が住んでいた街からは
随分遠い海水浴場なうえに、
御食が海へ来るということ自体、
驚くべきことだった。
「かなり強張った顔をしていたからな。
大丈夫か?」
背中にエルヴィンの手のひらの、
暖かい体温が伝わる。
「……うん。大丈夫。
ちょっとびっくりしただけだから。」
そう返事をした後、小さく深呼吸をした。