第30章 求めているのは一つの作用
「……いや、本音で話してはいるけど」
「それならもう羨ましがる必要はないだろう?
俺もリヴァイも、
いつも君には本音で話しているんだからな。」
凛の声を遮ったエルヴィンは、口元を緩める。
「お前は本音をぶつけすぎだろ。
もっと自重しろよ。」
「リヴァイには言われたくないんだが。」
再び始まったエルヴィンとリヴァイの
厳しいやりとりに、凛は思わず吹き出した。
「……二人とも、ありがとう。」
何度でも言いたくなるこの言葉を発する度に、
少し心が温かくなる。
今まで“ありがとう”より
“すみません”を多用してきた分、
これからはもっと感謝の言葉を発したい。
二人といると、それが出来る気がしていた。