第30章 求めているのは一つの作用
「なんかいいね、二人の関係。」
エルヴィンとリヴァイの視線が、
つい本音を漏らした凛へ一斉に向く。
「この状況を見て、俺たちの関係が
いいと思える理由は何だ?」
リヴァイの眉間の皺を見ながら、
つい顔が綻んだ。
「本音をぶつけ合える相手がいることが
すごく羨ましくて。」
本音をぶつけても揺るがない信頼関係。
それは、いくら自分が欲しても、
手に入らなかったものだった。
「凛は俺たちに本音を
ぶつけてくれていないのか?」
エルヴィンは穏やかな表情のまま、
凛の顔を覗き込む。
「それはねぇだろ。
あんだけ俺やエルヴィンに
厳しくツッコミ入れときながら
あれが本音じゃなかったら何なんだよ。」
リヴァイは凛の頭に手を置いた。