第30章 求めているのは一つの作用
「……にしても、ここの世界は
暇な奴らばっかりだな。」
ようやく泣き止んだ凛の頭を
乱暴に撫でながら、リヴァイはため息を吐く。
「それくらい平和だということだろう。
いいことだ。」
エルヴィンは凛から手を離すと、
周囲に目を配った。
三人とある程度間隔を取った状態で、
チラチラとこちらを窺う視線は
途絶えそうにない。
「……まぁ、みんなが見たくなる
気持ちは分かるよ……」
イケメン二人に前と後ろから
抱きしめられている状況は
興味と違和感、
嫉妬と羨望の種になるだろう。
「凛は泣く時、静かなんだな。」
「啼く時はでけぇ声のくせにな……」
エルヴィンの言葉に付け足した
リヴァイの一言を聞き、
すぐさまリヴァイの腕を掴んで首を横に振る。