第30章 求めているのは一つの作用
「ほう……それならこの世界で
自分が楽しむ為だけに
凛を恋人にするのか?」
「ああ、勿論自分も楽しむ気でいるよ。だが、」
突然エルヴィンに手を握られ、
自然とエルヴィンに視線を移す。
「俺たちがいなくなった世界でも、
君が幸せになれる方法を探す。
その為に君の恋人になりたい。」
エルヴィンの目は真剣そのもので、
冗談でも、からかっている訳でも
ないことは明確だった。
「おい。それなら恋人になる必要性はねぇだろ。
そんなもんは、居候の分際でも
できることじゃねぇのか?」
「……いや、エルヴィンの
言いたいことも分かるよ。」
再び詰問を始めるリヴァイを
なだめる様に声を掛ける。
エルヴィンとリヴァイ、
それぞれのやり方は違っても
求めている結果は一つなんだろう。
そのことに、ようやく気付いた。