第30章 求めているのは一つの作用
「……え、待って。
さっきエルヴィンが言ってたのは」
「本音しか話していないよ。
俺は君に好意を持ってる。」
言葉を遮られ、真剣な眼差しが
ますます身体を硬直させる。
“好意を持ってる”
冷静にその言葉を心の中で復唱した。
……“好意”だ。
そりゃ敵意も悪意も持たれていないだろう。
「君が考えている以上に、
俺は君のことが好きなんだと思う。」
「……うん。
私もエルヴィンのこと、好きだよ。」
さすがにもう騙されるわけにはいかない。
また一人でそわそわ
ドキドキするなんて御免だ。
出来るだけ恥ずかしい思いはしたくない。