第4章 正反対の相手
「あの、良かったらエルヴィンも
泊まって、下さい……」
再び敬語を忘れそうになり、
少しどもる。
「外はかなり酷い雨ですし、
ここ、田舎なんで外灯もなくて……
多分真っ暗だと思いますし……
田んぼに落ちたら危ないですし……」
何故かいい訳のような言い回しになり、
徐々に小声になりながら、
恐る恐るエルヴィンに視線を向けた。
「……本当にいいのか?」
エルヴィンは少し戸惑っているような、
申し訳なさそうな表情を浮かべている。
「だっ、大丈夫です!
私も今日ここに越して来たばかりで、
少し心細かったですし!!
一緒に居てもらえた方が安心しますし!!」
エルヴィンを安心させようとして、
咄嗟に声を張る。
だが、何故か口説くような
言い回しになってしまった。
自分のボキャブラリーのなさに幻滅しながら
恥ずかしくなり、少し俯く。
すると、エルヴィンが
小さく吹き出す声が聞こえ、
顔を上げた。