第4章 正反対の相手
「ありがとう……
君は本当に魅力的な人だね。」
エルヴィンの一言で、じわりと身体が熱くなる。
もしこれを“現代”の
出会ったばかりの男に言われても
こんなに気分が高揚することはなかっただろう。
何をキザなことを……と思って、
逆に引いてしまう気がする。
でもエルヴィンの言い方は、
自然と口から零れ落ちた、という様子だった。
気取らずにこんなことが言えるエルヴィンを、
少し不思議に思いつつも、
そこがまた、恰好良いと思えた。
「君の言葉に甘えさせてもらうよ。
俺に何か手伝えることがあれば、言ってくれ。」
「はい、ありがとうございます。」
「礼を言うのはこっちの方だ。
……それと、」
エルヴィンの碧の瞳は、
座っている私を見下ろした後、
私に視線を合わせる様に、隣へ屈む。