第28章 視線の種類と初めての海水浴
「ああ。
だが、それにしては脂肪が少ないよ。」
そう言ったエルヴィンの指が、
ゆっくり太腿を這った時、
身体の震えと共に小さく声が漏れ出した。
「……え、エルヴィン。
ちょっと、もうやめて。」
いやらしい声を誤魔化すように、
小さく咳払いをして
エルヴィンの方に向き、胸元を押し離す。
これ以上はマズイ。
エルヴィンの指先に絆される前に、
一刻も早くエルヴィンから離れるべきだ。
「やめて?そう言っている割に、
期待している顔にも見えるんだが。」
「期待してない!」
すかさず反論するが、
自分で触らずとも感じ取れる程、
かなり頬が熱い。
こんな状態の私に説得力があるのか
微妙なところだ……