第28章 視線の種類と初めての海水浴
「俺が言ったのは、
そっちの脂肪ではないよ。」
優しい声が耳元で聞こえた次の瞬間、
エルヴィンの太く逞しい腕に
後ろから引き寄せられ、
腰回りが熱を帯び始める。
「ちょ、ちょっと、エルヴィン?」
「ちゃんと食べているのか?
君は随分細いようだが。」
エルヴィンの指先は露出している肌の上を
水中でも自由に動き回り、
反射的に身体が小さく跳ねた。
「……た、食べてる。
一緒に食べてるんだから、知ってるよね?」
この指遣いは、ダメなやつだ……
エルヴィンに抱かれた日のことが
自然と思い出され、
ひんやりとした水の中なのにも関わらず
身体が火照ってくる。