第28章 視線の種類と初めての海水浴
「エルヴィン。
お前のせいで人込みがますます
鬱陶しいんだが。」
「いや、エルヴィンだけの
せいじゃないからね。」
リヴァイの発言に、
すかさず突っ込みを入れる。
周囲からの視線はエルヴィンだけではなく、
リヴァイにも向けられていた。
その要因は、言わずもがなの
逞しく引き締まった身体にある。
そして、そんな肉体を
持っているにも関わらず、
陶器の冷たさを連想させるような
きめ細やかな白い肌と、
それにミスマッチな複数の古傷や
締め付けられていた痕跡が、
ますます周囲の興味と興奮を誘ったのだろう。
「海に入る為に、これだけの人が集まるのか……
すごいな、海は。」
エルヴィンはこの状況を
無視しているのか、どうでもいいのか、
……はたまた、ただの天然なのか。
何なのかは分からないが、
人の多さにヤケに感心していた。