第4章 正反対の相手
「リヴァイ!!」
エルヴィンは小柄な男を見るなり、声を上げる。
こんな感情を昂らせた声も出るのか。
少し意外な気がして、目を見張る。
「……彼は生きているのか?」
「布団へ移動させた時に触った感じでは
暖かかったので、生きてる筈です。」
そう答えたと同時に、
エルヴィンは小さく息を吐く。
よほど安堵したのだろう。
表情が柔らかくなったのが見て取れた。
「私が初めて見た時は
血まみれだったと思うんですが、
いつの間にかその血も消えてて……」
「ああ。それはきっと巨人の血だろう。
巨人の血は、しばらくすると
蒸発して消えるんだ。」