第27章 もうひとつのきっかけ
「凛。あの部屋のふすまは、
すぐに開いたのか?」
「ううん。最初開けようとした時は、
ビクともしなかった。
でも、雷が落ちた拍子に電気が落ちて、
その後あの部屋のふすまが
小刻みに動き出して……」
あの時のことを思い出しながら、
おじいちゃんの問いに答える。
「その時に自分で開けたのか?」
「うん。その時はすぐ開いた。」
「……そうか。
それなら、きっかけはそこだろうな……」
「きっかけは雷、ですか?」
おじいちゃんの納得するような声の後、
エルヴィンがすぐに問いかけた。