第25章 “ししゃとつながるへや”
「……つまりこの二人は、
“あの部屋”へ突然現れた、
異世界の人間、ということか。」
話を聞き終わったおじいちゃんは
「ほう。」と、興味深げに顎髭を撫でると、
エルヴィンとリヴァイの顔を見入る。
おじいちゃんに釣られて、
二人に視線を向けると、
どこか緊張しているようにも見えた。
「……凛。あの部屋について、
思い出したことがあるんじゃが。」
「もしかして、
おじいちゃんのお父さんの話?!」
何か手がかりが掴めるかも知れない。
思わず前のめりになる。
「いや。わしが勘違いしておった話だ。
あの部屋は、
“死者と繋がる部屋”ではなかった。」
おじいちゃんはそう言うとゆっくり立ち上がり、
本棚から取り出した
一冊の古ぼけたノートを開いて、
私に差し出した。