第22章 確かめる
「……え、ナイフ持ってる相手に
素手で挑んだの?」
声が裏返りそうになるのを
堪えながら問いかける。
「喧嘩の素人がナイフ持とうが拳銃持とうが、
弱いことに変わりはねぇよ。」
リヴァイはそう言いながら
シートベルトを締めた。
「休憩は出来ただろ?早く目的地に行くぞ。」
「リヴァイ、なんかすごい恰好良いね……」
自分もシートベルトを締めつつ、
そんな言葉が口を突いて出る。
「……当たり前のことを言っただけだ。」
それだけ呟くように言ったリヴァイは、
照れているようにも見え、思わず顔を見入る。
「おい、早く車を出せ。」
急かされるように早口で言われ、
すぐにエンジンを掛けた。