第22章 確かめる
リヴァイの手に、かなり力が入っているのは、
一目で分かる。
どれくらいの握力が、
男の腕にかかっているのだろう。
ミシミシと骨が軋む音が
聞こえてくるような気がして、
思わず目を逸らした。
「そうだな。かなり不平等だ。」
リヴァイは鼻先で笑い、
「……だが、許可なく俺の女に手を出す
クソ見てぇな奴に負ける気はしねぇな。」
と、男を睨み付けた。
“俺の女”
リヴァイから発せられたその一言で、
心臓が忙しなく動き始める。
「凛。車で待ってろ。5分で戻る。」
リヴァイはそれだけ言うと、
男の手を掴んだまま私から遠ざかった。
……初めて名前で呼ばれた。
そんな些細なことで、酷く感動してしまい
しばらくリヴァイの後姿を見つめていると、
突然振り返ったリヴァイに、
“車に戻れ”
と、顎で指示される。
ハッと我に返り、急いで車に乗り込むと
携帯の時計表示を見つめながら、
リヴァイが戻るのを待った。